振袖の文様のお話

未婚女性の第一礼装である振袖は伝統的な文様も多くひとつひとつにさまざまな意味や願いが込められております。用いられる柄は大きく分けて吉祥文様・有職文様の2つに分類されますので少し紹介いたします。

吉祥文様 (きっしょうもんよう)

繁栄や長寿を表し縁起が良いとされる動物や植物などをモチーフに描かれ季節を思い愛でるという習慣が今なお受け継がれいます。お祝いの席にふさわしい柄として着物以外にも工芸品などにも用いられています。吉祥文様には雪輪・桜・菊・熨斗・鶴・雲などがあります。

【雪輪(ゆきわ)】

雪の結晶の形から生まれた文様です。雪輪には『豊作をもたらす』という意味も込められており平和な世の中の象徴です。

【桜(さくら)】

厳しい冬を乗り越え春の訪れに一斉に咲くことから豊かさや繁栄という意味も込められています。日本の国花でもあり美しさを感じさせる柄です。

【菊(きく)】

中国から薬草として伝わったとされており皇室にも使用されている高貴な花で、邪気払いや長寿の意味が込められています。

【熨斗(のし)】

語源は熨斗鮑になります。熨斗は延寿につながり、鮑は長寿をもたらす食べ物とされ古来より縁起物とされています。

有職文様 (ゆうそくもんよう)

平安時代以後、中国から伝わり日本に定着した伝統的格式のある文様です。光家社会において調度品・建築・装束などに用いられ、動物や植物だけでなく自然の景色をモチーフにした文様が優美で縁起が良い柄として既婚女性の第一礼装の留袖にも用いられています。有職文様には亀甲・花菱・木瓜・立涌・向い鶴・朽木形などがあります。

【亀甲(きっこう)】

平安時代から用いられた文様で亀甲は、永遠の繁栄や長寿の意味が込められています。

【花菱(はなびし)】

花びらが4枚菱形の中に配置した柄。亀甲花菱など他の文様と組み合わせていることもあり帯などに用いられています。

【木瓜(もっこう)】

宮廷で働く時に着る官服に織り込まれた文様。由来は所説あり鳥の巣・輪切りにした瓜など子孫繁栄の象徴ともいわれています。

【立涌(たてわく)】

蒸気や雲がゆらゆらと立ち昇っていく様子を表しており日本伝統文様のひとつです。立ち昇る様は『運気も上げる』とされ縁起の良い文様とされています。

まとめ

いかがでしたか?
ほんの一部のご紹介でしたが、文様を知ることでさまざまな意味を感じることが出来たと思います。振袖をお決めの方も、これからお探しになる方もお召しになる際に是非探してみてくださいね。